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国立がんセンターによる「厚生労働省・がん克服新10ヵ年戦略」では、発がん抑制作用を有する食品成分のひとつとしてラクトフェリンが研究対象となり、「人の大腸ポリープの進行を抑える」という臨床結果も出ています(下図参照)。大腸ポリープは進行すると大腸がんに至るリスクが高まるとされており、ラクトフェリンはがん予防において期待が寄せられる成分です。
大腸に、すぐに切除の必要のない直径5mm以下のポリープをもつ患者を対象に、
A
ラクトフェリン3.0g/日(34人)、
B
同 1.5g/日(37人)
C
プラセボ=偽薬(35人)を1年間摂取してもらい、ポリープの大きさの変化を調べた。
A
のラクトフェリン3.0g/日摂取群はポリープが実験前より小さくなり、
B
も、
C
のプラセボ群ほどには大きくならなかった。ラクトフェリンがポリープの進行を抑えたと考えられる。
神津隆弘ほか 第65回日本癌学会学術総会(2006)より
病原菌やウイルスから赤ちゃんを守る免疫物質
ラクトフェリンは、人の母乳、特に出産直後に出る初乳に高濃度
※1
で含まれるたんぱく質の一種です。初乳には、まだ抵抗力のついていない赤ちゃんを病原菌やウイルス、感染症などから守るための免疫物質が含まれていて、ラクトフェリンはその主要な働きをする成分です。「母乳で育った赤ちゃんは風邪をひかない」とよくいわれるのは、赤ちゃんが母親からラクトフェリンなどの免疫物質をもらっているからというわけです。
※1
人の初乳には1Lに5〜7g、牛乳には1Lに0.1〜0.4g含まれています。
免疫担当細胞などを活性化し免疫力を高めからだを守る
免疫とは、体外からの病原菌やウイルスのほか、体内にできてしまったがん細胞などの異物を排除しようとする「生体防御反応」のこと。私達のからだでは何種類もの免疫担当細胞が働いて、複雑な免疫システムを機能させてからだを守っています。摂取されたラクトフェリンは腸管の細胞に作用して、この免疫システム自体を活性化していますが、免疫担当細胞のなかでも発がんの抑制など、要となる働きをするとされているNK細胞
※2
を活性化する作用(図1参照)が明らかになっています。ラクトフェリンは免疫力を高め、病気に強いからだにしてくれると期待されている成分なのです。
※2
ナチュラルキラー細胞と呼ばれ、がん細胞を殺すなど、発がんを抑える働きがあります。
正常なマウスに、用量の異なるラクトフェリンをそれぞれ7日間経口投与して、末梢血中のNK細胞(免疫担当細胞)の量をプラセボ群(生理食塩水投与)と比べた。
NK細胞の割合は、プラセボ群と比べて有意に、かつ用量に比例して増加した。ラクトフェリンがNK細胞の数を増やすために働いたと考えられる。
久原徹哉 New Food Industry12,48(2006)より改変
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